研究目的

皮膚疾患の診断では皮膚生検、皮膚切除から得られた組織を使った皮膚病理診断が重要です。皮膚病理により、二次元的にしか見ることができなかった病変を三次元的に理解することができます。つまり皮膚病変の視診、触診では二次元的に病変を捉えますが、組織切片では表皮、真皮、皮下脂肪組織といったもうひとつ他次元の視点が加わり、病変を三次元的に解析することが可能となります。

皮膚病理を理解する能力は皮膚科医としての基本のひとつであると考えています。 それは皮膚病理組織切片に単に診断をつける能力でなく、得られた組織切片からその病態を推測、あるいは解析する能力です。 そのため広島大学皮膚科においては初年度から積極的に皮膚病理に取り組んでいただきます。

数多くの症例、まれな症例の組織診断を行うことも大切ですが、臨床所見、皮疹の状態と病理組織を総合的に理解し、その病態を解析することがより重要であるし、皮膚科医としての資質の高さに直結すると考えます。 そのためカンファレンスの場では臨床所見、組織所見、鑑別診断すべてを理解し、プレゼンテーションを行うことが課せられます。 このトレーニングを継続することにより、患者さんの皮疹を診察する際にすぐにその病理組織を想像し、鑑別診断を想起することができるようになります。

診断困難な症例に対しても、その病態解析能力により、治療の方途を得ることができるようになります。